皆様こんにちは。美容室での防災推進をしている㈱HUGの中島です。美容師として屏風ヶ浦の店舗に立ってハサミを奮っています。
突然ですが、
皆様は美容室で地震にあったら?と考えたことがありますか?カラー剤やパーマ液・ストレート液私たちの毎日をより楽しくしてくれるヘアデザインに使われるお薬達ですが、もし地震の際に【断水して】水が出なかったら・・・?
カラー剤を例に説明すると
時間経過と共に色が入る効果が無くなっても、髪がダメージする成分は長時間作用し続け、いずれは【髪が切れてしまう】恐れがあります。
これはパーマ液やストレート液の場合更に時間が早く、深刻なダメージとなって髪の毛を痛めつけます。
これらを使用する際には僕ら美容師は細心の注意を払い、時間を見ながらお薬の作用をコントロールしていくのですが、その時に必要なのが【お水】です。
3・11の際には管轄している店舗では停電も断水も無かったのですが、いざ関東にて地震が起きた時に断水にならない保証はどこにもありません。
給水出来る所が見つかればいいのですが、有事の際の連絡網も不安です。
それに地域一帯水が出なかったら・・・
そう考え、いざその時
の為の備えを考えてみました。
まずは検証。髪の毛に着いた薬剤を流すだけでどれくらいの水を使うのだろうか実験。結果は・・・スタッフ7人の
平均なんと60ℓ!個人個人やお店の設備によっても違うのでしょうが座席数分が必要としても、十分な量を備蓄しておくには途方もない量です。 使用するお水をなんとか減らせないか、実験と検証をしてみた結果、なんと1/10程度までお水の使用量を減らせました。 やり方これは美容室にはかなりの確率で常備されている、パーマをかける際に使用するプラキャップです。これを頭に装着し水を流し込みます。
そしていつものカラー剤を流すように頭皮までしっかりと洗います。
ここでコツとしてキャップがズレて水がこぼれないようにお客様にもご協力を頂き、おでこ辺りのキャップを抑えてもらうとより効果的です。
襟足を洗う際に水がこぼれやすくなるという不具合もありましたが、
首にタオルを挟み頭の位置を高くし、頭の向きを極力下に向けるようにするとお水がこぼれにくくなりました。
※首への負担が大きいので、高齢者は要注意!そうでなくても、体制がきつくないか確認を取りながら進めていきましょう※
これで60ℓかかっていた水量が4ℓ~8ℓに減らせました。
仕上がりは概ね上々。
肩より下の髪の毛の方で8リットルあれば9割強まで流しきることが出来ました。
事前にタオルでよ~く薬剤を拭き取っておくことも水の量を減らす上で大事な要素になりますし、最初に流すお水に薬剤の中和液を添加するとより効果的です。
お水も十分にあれば、一回目はすすぎ、二回目はシャンプー剤を混ぜてなど工夫も出来ます。
!!ここでワンポイントアドバイス!!
最初に流しに使用したお水は捨てずにタオルに染み込ませ、もう一度出来る限り拭き取りましょう!これだけでもかなりの水の節約が期待できます。
この方法ならば万が一緊急避難せざるを得ない状況になったとしてもパイプ椅子を並べたりベンチを使ったりしても応急的な流しをする事が可能です。
美容室で準備する防災持ち出し袋にはシャンプークロス・プラキャップ・・中和液・流し用のお水を最低でも4.5ℓ、出来れば8㍑は入れておきたいですね。
もし使えるお水が少量だったなら(今回は500mlのペットボトル一本とします)
応急処置はどんな薬液を使用している時でもまずは入念に拭き取りです。
その後お水の約半分量をキャップに入れ、中和剤を添加しよ~く洗います。
その水はやはり捨てずにタオルに染み込ませ、また出来る限り拭き取ります。
その後に残水をキャップに入れて流します。
この時にまだ薬剤の残留がありそうな場合もやはり、タオルに使用後のお水を染み込ませ
拭き取っていきます。
その後は乾燥したタオルで出来る限り拭いていきます。
近くに安全に海水を汲み取れる場所があれば最初に海水を使用して流し、最後に真水を使うといった事も可能です。(真水が無ければ海水だけで応急処置をして下さい)
髪に対する塩害もあるのですが、薬剤には遠く及びません。
※決して無理をせず汲み取りを行ってください!
今回の記事は以上となります。
これからもどんどんと美容室でもし地震(災害)にあったら?を考え発信していきます。